▼美濃囲い

振り飛車と居飛車の対局で、振り飛車側が採用する確率が最も高いものがこの美濃囲いです。
なぜ採用率が高いのかというと、組むのが比較的簡単な上に、横からの攻めに強いためです。
まさに振り飛車戦で重宝する囲いなのです。

居飛車のほうも人によっては美濃囲いにすることがあり、最も頻繁に見られる囲いです。

美濃囲いにはたくさんのバージョンがあって、それぞれに名前がついていますので、
囲いの特徴とともに、名前についてもここで覚えてしまいましょう。


片美濃囲い
飛車がもともと居た位置に玉を移動させて、銀が立つという
非常に簡単な駒組みですが、横からの攻撃にはそうとう強く、
振り飛車を指す人にとっては基本的な囲いです。

この囲いを美濃囲いと呼んでもよさそうですが、
これは正しくは片美濃囲いと呼ばれていて、
左の金がくっついた、下の図の囲いを正式な美濃囲いと呼びます。

美濃囲い
この囲いが正式な美濃囲いで、
片美濃囲いよりも横からの攻めにさらに強くなっています。

5八の金のしたに底歩を打てばさらに頑丈な囲いになり、
そうなってしまうと相手は横からではなく、
端や上部からの攻めを考えなくてはなりません。

なお、このままでは玉が窮屈なので、
1六歩と突いて上を広くしておくと玉の安全度が高まります。

高美濃囲い
美濃囲いの発展した形が左の囲いで、
この囲いのことを高美濃囲いと呼びます。
(上の図の美濃囲いからさらに
1六歩、4六歩、3六歩、4七金の4手が入ったものです)

これは美濃囲いよりも上部が厚くなっていて、
よくある角と桂馬のコンビネーションによる美濃崩しを防いでいますが、
美濃囲いよりも若干横からの攻めに弱くなってしまいます。

なお、3七桂馬と跳ねるとさらに磐石の構えとなります。

ダイヤモンド美濃
美濃囲いに左の銀も加わった囲いを四枚美濃囲いと呼ぶことがあります。

そのなかでも左の囲いは四枚の金銀の形がダイヤモンドのようなので、
これはダイヤモンド美濃と呼ばれ、非常に美しい囲いとなっています。

この囲いは滅多なことでは崩れることはなく、
かなり頑強な囲いで守備力に問題はないのですが、
本来は攻めに使うはずの左の銀が守りに参加しているため、
攻撃力が衰えているのがマイナスポイントです。

ヒラメ
美濃囲いの左の金が一段下がったこの囲いがヒラメに見えることから、
これはヒラメ囲いと呼ばれています。

この囲いは中飛車の将棋でよく現れます。
(なぜなら、中飛車では5八に飛車がいるため、
金がそこに上がれず、右に寄るだけになってしまうからです)

これは横からの攻めにはすごく強いのですが、
5七の地点を左の金が守っていないために、
5七に駒を成られてしまうおそれがあるので、
この囲いを使うときはそのことに注意をしなければなりません。

天守閣美濃(左美濃)
今までは振り飛車側の美濃囲いを見てきましたが、
これからは居飛車の美濃囲いです。
これは、玉がお城の天守閣にいるように見えるので、
この囲いを天守閣美濃といいます。

この囲いを初めて見た方はびっくりするかもしれませんが、
角のいる位置に玉を持っていくと、相手の角筋に玉が入ることになるために、
このような囲い方になっています。

なお、見てわかるとおり、この囲いはかなり玉の上部が薄いので
玉頭攻めには十分に注意を払う必要があります。

米永玉
天守閣美濃の状態から、玉を香車の頭に動かしたものが左図です。
この手を初めて指したのが米永永世棋聖であるために、
米永玉という名称で呼ばれています。

わざわざ香車のききをさえぎってまで玉を動かしたのには理由があって、
それは天守閣美濃の玉の上部の薄さを緩和するためです。

このあと8七銀、7八金と銀冠に組み替えれば、上部が厚い構えとなります。
なお、7七角、8八玉としてから銀冠に組み替えるのは、
やはり玉が相手の角筋に入ってしまうために、
そのような指し方は(少なくともプロでは)あまりされません。

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