| ▼美濃囲い崩し〜コビン攻め基礎編〜 美濃囲いを崩す最初のパターンはコビン攻めです。 コビン攻めと言われても、その意味がわからない方もいるかもしれませんが、 コビンというのは、漢字で書くと「小鬢」と書き、この意味は辞書によると「頭の左右前側面の髪」とのことです。 (こんな漢字と意味はふつう習いませんよね。私は将棋で初めて知りました(笑)) この意味から、将棋でコビンといった場合は、玉の斜め前方のことを指します。 したがって、コビン攻めというのは、玉の斜め前から攻めることをいい、 特に角で玉をにらみながら攻めることをコビン攻めということが多くなっています。 角のにらみというのはものすごく強烈なもので、玉が角筋に入っていてるとロクなことがないのが将棋というものです。 例えば、振り飛車戦で居飛車が左美濃に組むときは、振り飛車の角筋を避けて天守閣美濃にしますし、 角筋を避けたミレニアムも一時期流行しました。 また、藤井システムは角筋を最大限に生かして居飛車の穴熊を阻止する戦法です。 このように、角筋を生かした攻めというのは数多くあり、美濃囲いを崩すときも例外ではありませんので、 コビン攻めで美濃囲いを崩していく方法をここでみていきましょう。 ■桂馬に弱い美濃囲い
実際に角のコビン攻めを見ていく前に、まずはコビン攻めを効果的にするために 美濃囲いが桂馬に弱いということを理解する必要があります。 次の図を見てください。 また、右図では8六に控えの桂馬がいて、▲7四桂と跳ねることによって、後手玉がどこに逃げても▲8二金で詰みとなります。 この2つの例では、なんと美濃囲いは形を乱されていないのに後手玉があっさり詰んでしまっていますよね。 (このページは囲い崩しのはずなのに囲いを崩していません(笑)) このように、桂馬が跳ねている美濃囲いでは、 桂頭に桂馬を打ったり跳ねたりすることによっていとも簡単に相手玉を寄せることができます。 なんで玉が美濃囲いにおさまっているのにこんなにあっさり詰んでしまうのかというと、 それは玉にヒモがついてないからです。 つまり、8二の地点に他のどの駒も利いてなく、一度8二の地点で王手がかかって玉が逃げるような展開になると、 当然相手は8二の地点にさらに駒を打ってくるのですが、その8二に打たれた駒を守備駒の金でも銀でも取ることができません。 これが美濃囲いの最大の弱点で、一度王手がかかると次の王手もすぐにかかってしまい、 玉がどんどん追われることになってしまうのです。 ですから、美濃囲いを攻めるにしても守るにしても、そのことを頭に入れておくだけでずいぶん終盤がうまくなると思います。 (ちなみに、矢倉の囲いでは玉の定位置に金と銀の二枚の駒が利いているため、このようなことが起こりません) ■角と桂のコンビネーション
上の例を見て、美濃囲いは桂馬に弱いということがわかりました。 しかし、いつでも上の例のような単純な局面が現れるわけではありません。 そこで今度は、桂馬が単独で美濃囲いを攻めていくのではなく、 角も攻めに参加するコビン攻めによって美濃囲いを崩していく手順をみていきたいと思います。 それでは次の図をみてみましょう。 ところが、この局面では5五に角がいて、この角が8二にいる玉をにらんでいます。 ですから、▲7四桂に対して△同歩としてしまうと、▲8二角成と玉が取られてしまい、これは後手の反則負けです。 したがって、▲7四桂には後手は逃げるしかないのですが、こうなると先ほどの例と同じように金を打って詰みとなります。 これが角と桂馬のコンビネーションによる攻めで、普通なら取れる▲7四桂を後手は取ることができません。 この例から、角のにらみというのがいかに強烈なものかがわかると思います。 ■継ぎ桂をする
コビン攻めの最後の方法としては、継ぎ桂の手筋を使って▲7四桂を実現させる方法があります。 この継ぎ桂も実戦ではよく出てくるので、最後にこの例をみてみましょう。 この継ぎ桂をすれば△7四同歩ととられても▲同桂と跳ねることができ、結局8二の玉は逃げなければならなくなります。 ただ、この方法だと7三に玉の逃げ道ができるため、今まで以上に持ち駒が豊富でなければ後手玉を仕留めることはできません。 以上がコビン攻めで美濃囲いの玉を詰ます基本的な手順です。 美濃囲いに対するコビン攻めをまとめると ◆相手の桂頭に▲7四桂と打つ ◆角が玉をにらんだ状態で▲7四桂と打つ ◆8六に控えの桂馬がいる状態で▲7四桂と継ぎ桂を打つ の3パターンになります。 しかし、ここで説明したことはあくまでも基本的なことで、相手もこれぐらいのことは承知しているでしょうから ここの手順をベースにして、相手玉を寄せる方法を考えていく必要があります。 次の応用編では、ここの手筋を含みにして美濃囲いを崩していく方法を紹介していますので参考にしてみてください。 [→Back] |
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