▼美濃囲い崩し〜コビン攻め応用編〜

コビン攻めの基本的な攻め手筋を理解したら、次はどのようにあの基礎編の形につなげるかがポイントになります。

ここでは、実戦で決まれば一気に勝ちになるような、コビン攻めにつながる攻め手筋を紹介していきます。


■金のタダ取りを狙う

基礎編では先手の持ち駒に金がありましたが、いつでも金を持ち駒として持っているわけではありません。
ですから、持ち駒に金がないときは金をどこかで入手する必要があります。

そして、美濃囲いは金が二枚くっついている囲いですので、
うまくやると美濃囲いの金で相手玉を寄せることができます。

普段はこちらの攻撃を受け止める美濃囲いの金ですが、その金が相手の命取りになるように局面を動かせたら、
これほど痛快なことはありませんね(^^

そんな例を次の2つの局面でみてみましょう。
どちらの局面もほとんど同じですが、次の一手は何がいいでしょうか。
基礎編では▲7四桂と跳ねたり、▲7四桂と打ちましたが、この局面でもはたして同じ手でよいのでしょうか。

では少し考えてみましょう。
▲7四桂に△9二玉となった場合は、8二に金を打てば後手玉が詰むので、▲6一飛成として、
以下△同銀なら▲8二金で詰みだし、△9四歩と逃げ道を作っても▲7二竜で後手玉は寄っていますね。

また、▲7四桂に△8一玉は、▲6一飛成が王手で、
以下△同銀でも△9二玉でも7一に合い駒をしても▲8二金で詰みになります。

だから正解は▲7四桂だ!
・・・・・というのは早とちりで、読み抜けがあります。

それは、▲7四桂に△7一玉と逃げる順です。
これも次に▲6一飛成で終わりじゃないのか?と思いがちですが、▲6一飛成を△同玉と取られるとどうでしょう。
次に▲6二金は△同金で後手玉は一気に安全になってしまいます。

もし先手に斜め前に利く駒があれば、△7一玉には8二に駒を打って詰みになりますが、
何も駒を持っていない場合は、7一に逃げられると飛車を切れないので後が続かなくなってしまいます。

ですから、▲7四桂は間違いです。
ということは、この局面での正解はもう簡単ですね。
先ほどから何回も出てきている▲6一飛成が正解となります。

先に▲6一飛成とすることによって、今度こそ後手玉は▲8ニ金を受ける術がありません

先に桂馬を跳ねるのか、それとも飛車を切るのか、
言い換えると、先に王手をかけるのがいいのか、それとも詰めろ(必至)をかけるのがいいのか、
細かいところですが気をつけて読まないと後で後悔することになってしまいます。

また、後手陣が、5二の金がいない片美濃囲いだったなら、先に▲7四桂と打ってもよいことを確認してみてください。

以上のように、持ち駒に金がないことは、美濃囲いの金を奪うことによって解決する場合があります。
美濃囲いの要である6一の金をタダで奪える上に後手玉がほとんど必至になるのですから、
飛車を切る手を見逃していては強くなれません。

初心者のうちは飛車を切る順を全く考えないものですが、
もしあなたがそうであるのなら、これを機に飛車を切ることも頭に入れて将棋を指すようにすると
このように簡単に相手玉を寄せることができます。

「ヘボ将棋、玉より飛車をかわいがり」にならないように気をつけ、
この攻め筋を自分のものにして、美濃囲いの玉を気持ちよく詰ませるようにしましょう =*^-^*=


■王手飛車の筋を狙う

今度は持ち駒は豊富だけど、相手玉に迫る手がかりが何もない局面を考えましょう。

次の図では、後手玉を攻める先手の駒がひとつもありません。
しかし、次に強烈な一手があって後手はまいってしまいます。

さて、それはどんな手でしょうか。少し考えてみてください。
今までのことがキチンとわかっていればこれは簡単な問題でしたね。
そう、この局面では▲4六角(あるいは▲3七角)と打つのが正解です。

なぜこの一手で後手がまいってしまうのかというと、
それは4六の角が▲7四桂以下の詰めろになっていると同時に、1九の竜取りになっているからです。

つまり、
▲4六角は詰めろ竜取りで、竜が逃げれば後手は負けてしまうし、
かといって△6四歩などと角筋をふさいでも▲1九角と竜をただでとられてしまい、
一気に形成が不利になってしまいます。

この例が一番コビン攻めの威力が発揮されている例ですので、
このような局面があったら▲4六角だけは見逃してはいけませんね(^^
また、あなたが振り飛車党なら、このような局面を避けるように手を進めていかなければなりません。


それでは今度は今の例と似たような局面を考えてみましょう。
この場面では先手はどんな手を指したらよいでしょうか。

「▲5五角が詰めろ飛車取りでしょ?」と思いましたか?
はい、確かに▲5五角は詰めろ飛車取りですが、この場面では後手にとって詰めろ飛車取りは痛くもかゆくもありません。

なぜかというと、△2四飛と浮く手があるからで、浮いた飛車の横利きのおかげで▲7四桂を△同飛ととれるからです。
つまり、△2四飛が飛車を逃げながら詰めろを消す手なので、▲5五角は後手にとってありがたい手になってしまいます。

では、ここでは先手に手がないのかというとそうではありません。

今度は先に▲7四桂と打つのです。

先手の持ち駒に金があるため後手は玉を逃げることができず、桂馬を△同歩と取るよりありませんが、
そこで▲5五角と打つとどうでしょうか。

キレイに王手飛車取りがかかっていますね。
あとは飛車を取って先手の駒得で一気に優勢になります。

上の例と下の例では飛車の横利きが利くか利かないかの違いですが、この違いがとても重要になっています。

この王手飛車を狙っての角と桂のコビン攻めはよく出てくるので、
この筋を頭に入れながら将棋を指せるようになれば、もう完全に初心者からは脱出しているといって良いと思います。


以上がコビン攻めの応用編でした。

これらの攻め手筋を知っているのと知らないのとでは大違いなので、
知らなかった方はここの筋の意味を理解してぜひ実戦に役立ててください。

次の「コビンから詰める」では、コビン攻めを使った詰め将棋を紹介していますので、
コビン攻めの最後の仕上げとして活用してみてください。

今まで扱ってきた局面は、全て後手玉の端歩がついていなかったために、
すぐに後手玉に詰めろがかかり、とてもわかりやすい局面ばかりでしたが、
詰め将棋では端歩が突いてあって後手玉が広くなっているものを取り上げています。

玉が上方に逃げられるので、少し難しいのですが、手順を見て頭の中なり実際の盤で並べてみるだけでも
実力がつくと思うので、ぜひチャレンジしてみてください。


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